2012/03/15

Pogoplug-04 サービスの変化:2012年春の情報

Pogoplug(ポゴプラグ)の機能やサービスが大きく変わった。
以前から使い続けていて、急に新たなサービス(というか体制)に少なからず戸惑ったので、何が変わったのかまとめてみる。
今までのこのブログ内の Pogoplug に関する記事の内容は、今では当てはまらないことが多いので、それに疑問を持った方への回答にもなれば、と思う。勿論、自分自身の備忘録でもある。

●製品の分類
現行の製品(商品)は以下の5つに大別できる。
  1. デバイス:Pogoplug クラシック … 以前からのデバイスをこう総称する。
  2. デバイス:Pogoplug モバイル … 新製品。
  3. ソフトウェア:Pogoplug PC … 基本的に有料。
  4. ソフトウェア:Pogoplug Backup … 無料。
  5. ソフトウェア:Pogoplug モバイルアプリ … 無料。
2つのデバイスの違いは、新製品である Pogoplug モバイルに、SDカードスロットが付いたことと USB ソケットが一つ(クラシックは4つ)になったことだけだ。

Pogoplug PC には、Windows 用と Mac 用があり、パソコンそのものをクラウド化するためのソフトウェア。
30日間、無料で試用できるが、基本的に有料。
従来のソフトウェアでなら(今でも!)無料で、パソコン内のフォルダをクラウド化できるので、この機能を使っているなら(=既に旧版のソフトがあるなら)絶対にインストールしてはいけない! 
なんて書いたが、Pogoplug PC の有効性が見えてきた。詳細は、次回の記事で。

Pogoplug Backup の名前にごまかされてはいけない。
Backup(以前のアクティブコピー)機能もあるが、Explorer(Finder)から Pogoplug デバイスにアクセスする機能もこのソフトウェアが常駐して行なっている。
一時期「Pogoplug Browser」と称されていたソフトウェアが、これに名称変更された。

つまり、以前の Pogoplug ソフトウェアが「Pogoplug PC」と「Pogoplug Backup」とに分割されたわけだ。

Pogoplug モバイルアプリには大きな変化はない。
相変わらず簡単に使えるし、相変わらずできないことも多い。きっと、見えないバグがいくつも解消されたのだとは思うが…。

●Pogoplug PC は、不要!
Pogoplug PC でできることは、パソコン上の任意のファイルを別のパソコンから操作、もしくはモバイル機器から参照することだけだ。あ、ビデオとミュージックのストリーミングもできる。
このソフトを必要とするのは、以下の条件にあてはまる場合だけ。
  • Pogoplug デバイスを所有していない
  • Pogoplug デバイスを持っているが、その処理の遅さが我慢できず、Pogoplug デバイスを使っていない
  • 常時、電源をオンにしているパソコンがあり、電気料金のことを気にする必要がない
  • NASを所有しておらず、Pogoplug デバイスを購入するよりも Pogoplug PC で、手持ちの1台のパソコンをデータサーバ化し、なおかつ、モバイル機器へのストリーミングも快適に行いたい
最後の例なんかは、電気料金の差額で2年間もかけずに、Pogoplug デバイスを購入できるので、よく考えるべき。
よく勘違いされてるみたいだけど、Pogoplug に通常のNASの快適さを求めるのはナシ、だと思う。そして、ただデータの共有ってだけなら、デスクトップの操作で共有フォルダを作るのが簡単だ。モバイル機器からの参照はできないけど、そのためだけに Pogoplug PC を購入するのは無駄だと思う。他のサービス、ソフトがたくさんある。

●Pogoplug Backup の表の顔
Pogoplug Backup をインストールすると、左ペインに「バックアップ」と「修復」しかなく、バックアップ用途以外の機能はないように思える。
が、実は、これは名称が悪いだけの話。

「バックアップ」は従来のアクティブコピーの設定にあたる部分。
注意する点は、バックアップの開始を選ぶと、自動的にマイドキュメントやマイミュージック(環境によっては、ドキュメントフォルダや書類フォルダ)のバックアップが始まってしまう。なので、すぐに「場所の詳細を表示」を選んで、自分がバックアップしたい対象に変更しなければならない。
「修復」はバックアップされた内容を参照、閲覧、ダウンロードする機能だ。

これだけでは、本当にバックアップ(&リストア)用途しかないと思えるが…。

●メインの機能へのスイッチが隠されていた
ファイルメニューの環境設定を選ぶ。
ここで「Pogoplug ドライブ」を選ぶと、見覚えのある画面が出る。
スイッチをオンにすると、エクスプローラー(ファインダ)から Pogoplug デバイス等へのアクセスが可能になる。
Pogoplug Cloud は、今回、新たに登場したサービスで、Pogopug 社のサーバにデータを保存できる機能。本当のクラウド。あくまで、保存専用で、DropBox や SugarSync のような「同期」はできない(自動でのバックアップはできる)。
Pogoplug デバイスと Pogoplug Cloud、それに Pogoplug PC を利用している場合にはそれを有効にしているパソコンの3つを総称して「マイクラウド」と呼ぶようになったようだ。
見覚えのある画面ではあるけど、以前の似た画面は、クラウド対象にするか否か(今回の言い方なら、バックアップ対象にするかしないか)のスイッチだったので、その役割が変わっている。
ドライブレターの割付については、以前と同じなので問題なし。

さらに、環境設定の「詳細」をクリックすると表示されている「ファイルマネジメントを可能にする」のチェックを付ける。あまりに簡単に書かれているので見落としがちだけど、このチェックはかなり重要。
チェックすると、「修復」の機能が大幅に増すのだ。
修復というよりも、いわゆるブラウジングができるようになる。
「私の Pogoplug」にアクセスすることなく、写真の閲覧や音楽とビデオのストリーミング受信ができるようになる。これを「修復」というのは、間違いだろう。
言葉的にもなぜだか音楽がジュークボックス、写真がギャラリー、動画がシネマと言い換えられている。

●変更された内容についての雑感
自分はかなり戸惑ったが、初めて Pogoplug を利用する人にとっては、全体的によくなったのかもしれない、という気もしてきた。
ウェブサイト「私の Pogoplug」とソフトウェアでの言葉が違うとか、そもそもヘルプセンターのFAQが、新サービスに対応しておらずかえって混乱してしまうだとかの問題はあるが、その内に改善される類いのことだ。
実は密かに期待していたモバイルアプリについては、何の進展も見られなかった。
ビデオの視聴はもう諦めているからイイのだけど、せめて音楽だけでももう少し使い勝手がよくならんものかなぁ、と思う。
一番の問題である「メディアの処理中」に時間がかかり過ぎることと、この間に何かをやろうとするととんでもなく処理が遅い、という件についても改善点は見られないように思える。
ただ、削除したはずのファイルが復活するだとか、バックアップ対象にしたのに変更内容がスルーされるといった不具合は今の所、起きていない。原因が解明され、対処されたのかもしれない(断言はできない)。